秋と有希の空模様

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スーノスマイル
 はーい、yskさんというよく最近拍手をいただく方からフェイはやssもらいましたー。
感想がある方はどうぞ、拍手まで。
直通で送りますので。

とてもほのぼのとした雪の中のは暗視なのに心温まるかまくらのようなお話ですよ(うまいこといったつもり
最近こういう、ほのぼの系みないなぁとおもいつつ、はやてさんかわいかったです(結論


  スノースマイル-1

 

 冬が寒くて本当によかった、そう思う。だって君の冷えた左手を、私の右のポケットにお招きする為の…この上ない理由になるから。


「はやて……手、寒くない?」
「手?」
「うん」


 何で手? と、首を傾げるはやて。可愛いなぁ。


「別にそんな寒ないよ。……フェイトちゃんと手、繋いどるから」


 隣を歩いているはやての顔を覗くと、頬が少し赤く色付いているのを見つけた。


「でも、少しは…寒いんだよね?」
「うん、少しだけ……」
「なら……」


 はやてを少しこっちに寄せて、恋人繋ぎをしてる手を私の右のポケットに入れた。


「フェ、フェイトちゃん…さすがにこれは……」
「ん?」
「こ、恋人つなぎするよりも…は、恥ずかしいというか……」
「そう?」
「うん…」
「だけど…こっちの方が温かいでしょ?」
「それは……」


 頬がさっきより赤くなってる。照れてるはやてが可愛くて、もう少し私の方に引き寄せる。


「ね? はやて」
「……あほ」


 そう言ってはやては、腕に擦り寄ってきた。


「今日のはやては…珍しく甘えん坊だね」
「駄目なん……?」


 甘えるような、上目遣いで見つめられて、思わず抱き締めてしまいそうになった。


「ううん。駄目じゃない」


 けど、何とかその衝動に堪えた。外では人の目につくから、こんなに可愛いはやてを他の人に見られるのは嫌だから。
 でも、少しくらいはいいかなって思って、私の肩にもたれてるはやての頭に、少し頬を擦り寄せた。


「フェイトちゃんも…甘えとるやん」
「これは違うよ」
「じゃあ何なん?」


 思わず否定してしまった。何て返せばいいんだろう。


「えっと……」
「何なん? フェイトちゃん♪?」


 どうしてそんなに楽しそうに聞いてくるんだろう。こんなはやても可愛いなぁ、なんて私はまた思った。


「………」
「フェイトちゃん♪?」


 未だに答えられない私のことを呼ぶはやて。ちょっとだけ自棄になって思ったままのことを言った。


「はやてが、可愛いいからだよ」
「なんでそういう……」


 だんだん声が小さくなっていって、はやてが何て言ったのか最後の方が聞き取れなかった。


「はやて、なんて言ったの?」
「うぅぅ……フェイトちゃんのあほ……」


 はやての顔を見ると、まるで林檎みたいに赤くなってた。


「なんで、そういう…恥ずかしいこと、言うんよ……」
「は、恥ずかしいこと?」


 何か言ったかな? あまり自覚が無いんだけど……。


「なにか言ったっけ?」
「いうたよ…」
「何て?」
「か、可愛いって……」
「……ああ、言ったかも」
「場所を考えてや……」
「ご、ごめん……」


 顔が真っ赤になったはやては、少し怒ってるけどそれでも…離れないでいてくれる、はやてが愛しくてどうしょうもがない。


「あほー」


 これで今日、何回あほって言われたんだろう。言われると案外へこむ。だけど、こんなに可愛いはやてを見られるなら別にいいかな、なんて思った。

 


 スノースマイル-2


「雪が…降らないかな」
「雪?」
「うん」


 ふと、なんとなく口を突いて出た言葉。そんなこと言ったて、早く降るわけでもなくて。


「なんで?」


 はやての柔かな語調はいつも、耳に心地好く響く。


「ちょっと…はやてと、したいことがあって……」
「したいこと?」
「うん」
「どんなことなん?」
「えっと……笑わない?」
「笑ったりせぇへんよ」


 はやてを疑う気はないんだけど、念のため訊いてみる。不安だから。


「ホントに?」
「うん。ホンマに」


 返ってきた言葉は予想通りで。だから、安心した。


「たいしたことじゃないんだけど……」


 そう断ってから言った。


「ただ…はやてと、積った雪の上を歩きたいだけなんだ。……子供っぽいかな?」


 まだ綺麗なままの雪に刻む、私とはやての足跡の平行線。そんな夢物語みたいなことが、叶ったらいいな……なんて思ったりして。


「…………」


 返事をしてくれないはやてに、少し不安になって横に振り向いたら、冷えた右の頬にとても柔らかくて温かい感触がじんわりと染みるみたいに広がる。はやてを見ると、してやったりといったように笑ってる。


「はやて……?」


 何をされたのか気付くのに数秒の時間が掛かった。


「は、はやてっ!? な、何を──」


 ――ここは外だよっ!?
 そう言おうとしたけど、はやてが先に言葉を紡いだ。


「そんなん、お安いご用や」
「え?」


 ――お安いご用?


「一緒に歩くくらい……」


 私の頬にキスをした勢いは何処に消えたのか、そう思うほど声が小さくなっていって。そんなはやても可愛いなぁ……ってまた思ってる私がいる。


「……ありがとう」


 そう答えると、ポケットの中で繋いでいる手に少し力が込められて握られた。私も握り返して、周りに人が居ないか見渡した。人目が無いことを確認してから、大好き、ありがとうって気持ちを込めて、はやての頬に口付けた。

 


 スノースマイル-3
   フェイトSIDE

 

 夢物語が叶う前だって、笑顔は君がくれる。


 それから暫く歩いていたら、未だに頬が赤いはやてから声が掛けられた。


「なぁ…フェイトちゃん」
「なに? はやて」
「ちょう…寄りたいとこ、あるんやけど」
「何処に?」


 珍しいと思いつつ、場所を訊く。


「公園……なんやけど」


 そんなに遠くなかったからすぐに着いた。公園に何の用があるんだろう。


「ねぇ…はやて。どうして公園に──」


 中に入るとそそくさとはやては歩いていってしまった。


「あ、はやて、待って」


 慌てて追いかける。私が声を掛けたら、はやてが足を止めた。


「フェイトちゃんのあほーっ!」
「えっ!?」


 振り返ってくれたと思ったら、何故かあほと言われた。ショックより驚きが勝って足を止めてしまう。


「はやてぇ……」


 ――どうして怒ってるの?
 それでも何とか自分を奮い立たせて、はやてに向かって歩いて行く。距離は数歩進めば届く。
 はやてはいじけた子供のみたいに、落ち葉を蹴っていた。


「わっ!?」
「はやてっ!!」


 すると、突然はやてが落ち葉で足を滑らせた。ダッシュで走って、転びそうになったはやてを後ろから支えた。


「ふぅ……はやて、大丈夫?」
「う、うん…」
「よかった……気を付けてね? はやて」


 これじゃまるで子供に注意をしてるみたいだなと思った。


「あり、がとう……」
「どういたしまして」


 そう言って少しだけ、はやてを引き寄せた。まだ怒ってるかもしれないから。


「はやて…何で怒ってたの?」


 疑問に思っていたことを──怒ってた理由をきいてみる。


「それは……」
 ――それは?
「その、なんというか…」


 少し俯いてしまったはやてに、疑問符を浮かべながら名前を呼んだ。


「ねぇ、はやて…」


 ……反応がない。もう一度呼んでみようかな。


「はやて?」


 ――これで駄目だったら……。


「いたずらしちゃうよ?」


 呼び掛けても反応が無いはやてに苦笑い。
 そっと耳元に口を近付けて……、息を吹き掛けた。ちょっと強めに。


「ひゃあっ!?」


 はやてから可愛い悲鳴が上がった。


「なっ!? なにするん!?」
「……やっぱり、はやて可愛い」


 そのまま、ぎゅうっと抱き締めた。こうして抱き締める度に、胸の奥に言葉で形容できない何かが沸き上がる。


「ま、またっ!」


 恥ずかしいことゆう、なんて文句を言われても離したくない。離せない。

 だって、はやてのことが大好きだから。

 

 スノースマイル-3
   はやてSIDE


 暫く歩けばさっきの熱は引くだろうと思ってたけど、まだ頬の熱は引かなくて。


「なぁ…フェイトちゃん」


 風が余計に冷たく感じるのは頬の熱の所為だと思う。手はまだ、フェイトちゃんのポケットの中にあって。そんな中、フェイトちゃんに声を掛けた。


「なに? はやて」
「ちょう…寄りたいとこ、あるんやけど」
「何処に?」
「公園……なんやけど」



 公園に来たかったわけじゃない。ただ、さっきの沈黙に堪えられなくて何とか抜け出すことが出来ないか考えて、これが精一杯だった。


「ねぇ…はやて。どうして公園に──」


 フェイトちゃんを置き去りにして、公園の中へ入って行く。


「あ、はやて、待って」


 すると、やっぱり小走りで追いかけてきた。足を止めて、振り返って一言叫んだ。


「フェイトちゃんのあほーっ!」
「えっ!?」


 居た堪れなくなって、フェイトちゃんに背中を向けた。それを誤魔化すように足下の落ち葉を蹴ってみる。
 そして何度か目で蹴るというより、落ち葉を踏んづけてしまって、滑った。


「わっ!?」
「はやてっ!!」


 転ぶと思った瞬間、後ろに傾いた身体が支えられた。


「ふぅ……はやて、大丈夫?」


 ――フェイト、ちゃん?


「う、うん…」
「よかった……気を付けてね? はやて」
「あり、がとう……」


 突然のことで、まだ思考が止まったままのような感じがする。


「どういたしまして」


 そう優しく囁かれて、少しだけ引き寄せられた。


「はやて…何で怒ってたの?」


 ――ええっと……。


「それは……その、なんというか…」


 冷静になって考えてみると、どうして怒ってたのかよく分からない。
 ただ、フェイトちゃんが恥ずかしいことを言ってきたりとか、……ほ、頬にキスをしてきたりとかするから……。


「───ちゃうよ?」
「ひゃあっ!?」


 そんなことを考えていて何か聞こえたと思ったら、後ろから耳に息を吹き掛けられた。


「なっ!? なにするん!?」
「……やっぱり、はやて可愛い」


 あんまりにも感極まったように言うから。それに、恥ずかしくても離れるのが勿体なくて。


「ま、またっ!」


 恥ずかしいことゆう、って文句を言っても離さないでいてくれるフェイトちゃんが好きで、想いが溢れそうで。


「……フェイト、ちゃん」
「うん?」


 その想いは言葉になって、口を突いて出た。


「だいすき…」


 言ったら、顔から火が出てきそうなくらい頬が熱くなった。


「っ……、私も…大好きだよ」


 冬が寒くって本当によかった、なんて今だけ思った。だってこうして怒っても、フェイトちゃんから離れないための口実が出来るから。

 気恥ずかしくても離れたくなくて。だからそっと、抱き締めてくれる温もりに寄りかかった。

 

 スノースマイル-4


 初雪の翌日にでも一緒に出掛けられたいいな……なんて思ってた。だけどそんなに都合良く私たちの予定が噛み合うわけも、運良く天候が味方してくれるわけもなくて。残念ながら今日はキャンセルになりそうだ。だというのに曇った寒空の下、約束した公園で待ち惚けてる。


 ──なんで、かな…。


 今にも雪が降ってきそうな空を見つめながら考えると、いくつか浮かんでは消えた。


 ──期待…してるのかな……。


 もう既に約束の時間から数時間ほど経つ。それでも待ち続けている。きっと来てくれる…そう思いながら。
 だけど真冬に何時間も突っ立ってもいれば少々、いや非常に寒い。しっかりとコートを着込んで厚着でいてもさすがに辛い。
 本当はさっきはやてから、来れない――というより来れても遅くなるとメールが届いていた。私はそれにただ一言だけ『待ってる』と返事をした。そんなことを言ったら困らせるだけなのに、どうしてだろう――なんて考えたら直ぐに答えは出た。


 はやてと過ごす時間を重ねる度に、どうしようもないくらいに好きになって、愛しくなる。
 はやてと離れている時間が積もる度に、言いようが無いくらいに苦しくなって、壊れそうになる。
 それらが交互に積み重なる度に、抑えようがないくらいに真っ黒で純粋な『欲』が、心を侵食する。


 一緒にいたいなら一緒にいればいいと。どこまでも純粋だと感じていた『想い』は、いつの間にか歪んだ『欲』に変わっていて。もしかしたら最初から『想い』なんてものは無くて、ただの『欲』だったのかもしれない。
 離れたくないなら離れなければいいと。どこまでも真っ黒に歪んだ『欲』が甘く囁いてくる。放さないで閉じ込めればいい、いっそのこと壊して離れられないようにすればいいと。
 ――はやては…どう、思うかな。


 きっと、誰もが私のことを幻滅するだろう。おかしい、醜いと。

 

「フェイトちゃーん!」


 ひたすら沈んでいく思考が止まった。私を呼ぶ、一つの声で。
 ――来て、くれた……?
 はやてが息を切らしながら駆け寄って来るのが信じられなくて、呆然とその方を見詰めた。


「はや、て……?」


 喉が乾燥していて上手く声が出ない。


「フェ…っ、フェイト、ちゃん……」


 私の数歩前で止まって膝に手を当てて、呼吸を整えることよりも先に、無理をしてまで名前を呼んでくれた。
 足を一歩、踏み出した。


「おっ、おくれて、…ご、ごめんな…!」


 未だに肩で息をしていて、つかえながらも言葉を発する。
 二歩、三歩と踏み出して、捕まえた。


「ふぇ、ふぇいっ――!?」
「はやて……」


 これ以上の言葉を重ねる前に、強く抱き締めて肩にはやての顔を押し付けた。初めはじたばたと暴れていたけど暫くすると抵抗は弱まって、私の腕の中に綺麗に収まった。
 緩やかに流れる時間に同調するように、はやての呼吸もゆっくりとしたものに変わる。それ確認して腕の力を少しだけ弛めた。


「落ち着いた?」
「………」


 はやてが微かに身じろぎをした拍子に、仄かな優しい香りが鼻先を掠めた。いつの間にか、はやての腕が私の背中に回っていた。そこで初めて温かいと感じた。香りは内から、抱き合う身体は外から、私を温めて。


「あたたかい…な」
「フェイト…ちゃん?」


 ――本当に、温かい。
 一寸の隙間も空けたくなくて、弛めた腕に力を入れなおしてさっきよりも強く抱き寄せた。


「もう少し、このままでいさせて……」
「えっ!? な、なんっ、どうして…フェイト、ちゃん」


 見上げてくる瞳にどうしてか向き合えなくて、はやての耳元に口を寄せてお伺いを立てる。

 だって、こんなにも温かいんだ。放すなんて、離れるなんて勿体無い。けれども、そう思ったのは一緒にいたいという『想い』なのか、『欲』なのか、わからない。


「駄目…かな?」
「ぅうん…、駄目…やない、けど」
「お願い、はやて。もう少しだけ…」
「…う、ん」


 許しを得て遠慮なく抱き締めて、肩口に擦り寄った。息を吸うと、優しい香りが一層強く感じられて胸いっぱいに広がる。やがてそこから生まれた熱が全身に行き渡ると、息をついた。


「フェイトちゃん。…大丈夫?」
「うん……」


 少し名残惜しみながら肩口に埋めていた顔を離して、見上げてくる瞳を見詰める。その瞳にははっきりと心配の二文字が映っていて、それがなんだかこそばゆくて口付けを一つ。
 ――やっぱり、あたたかい……。
 ゆっくりと唇を離して目を開けると、はやてがはにかみながら笑っていて。花が綻びるような、控え目なその笑顔に鼓動が強く波打った。その勢いで胸の奥から温かいものが溢れる。


 『想い』か『欲』。今はどちらかはわからないけど、この気持ちは確かだ。


 『想い』が溢れて、零れ落ちる。

 


「好きだよ、はやて。大好き……」

 

 まだ、「愛してる」なんて言える勇気は無いけど、


 守りたい。君の、雪のように純粋な笑顔を。そしてその笑顔が、溶けて消えてしまわないように。
 伝えたい。君にいつかの日か、「愛してる」って。


 きっと私は、君が居てくれれば大丈夫だから。
 だからまだ、そっとしまっておこう。


「…行こうか、はやて」


 顔を真っ赤にして俯いてしまったはやてに、声をかけて歩き出す。


 雪の無い道を、二人で。

| 有希 | 頂き物 | 21:04 | comments(0) | trackbacks(0) | -
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